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■札幌市まつづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015(案)の意見提出しました■2015.11.12



札幌市では、今後5年間の中期実施計画として、
「札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015(案)」を取りまとめ、
現在、市民や広く皆さまの意見を募集しています。

札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015
http://www.city.sapporo.jp/chosei/actionplan2015.html#iken

意見は計画策定の参考にしていただけますので、
ぜひ一人でも多くの方に意見を送っていただけたら幸いです。


≪ご意見の提出方法≫

上記期間内に、郵送、持参、ファクス、Eメール、
またはご意見募集フォームで応募してください。

提出方法
提出先 郵送・持参
〒060-8611
札幌市中央区北1条西2丁目札幌市役所10階
市長政策室政策企画部政策調整課

※直接お持ちいただく場合の受付時間は、
平日の8時45分から午後5時15分までです。

ファクス:011-218-5109
Eメール:chosei@city.sapporo.jp
ご意見募集フォーム
https://www.city.sapporo.jp/chosei/3-new-plan/documents/foam.html

募集期間:平成27 年(2015 年)10 月13 日(火)から
平成27 年(2015 年)11 月24 日(火)まで必着


以下、当会意見(案)です。
身近な動物たちにも配慮した人と共生できるまちづくりを推進していただけますよう
よろしければ、ご参考にしてください。

「札幌市まちづくり戦略ビジョン」
計画の基本的な考え方
「戦略ビジョン」が目指す2つの都市像に「北海道の未来を創造し、世界が憧れるまち」、「互いに手を携え、心豊かにつながる共生のまち」が掲げられていますが、ドイツやアメリカ、イギリス等の先進国では動物の愛護と福祉が進んでいます。

今年7月25日、札幌市円山動物園で高齢のマレーグマのウッチーが若いオスのマレーグマに襲われる状況におかれ死亡しました。その死因が、管理者の判断ミスの積み重ねによるものであったことは、動物園の適正飼育と管理体制に疑問を感じざるを得ませんでした。同園に、市民や多くの人が望んだことは、繁殖させたり、新たな動物を飼育することよりも、現在いる1頭1頭の動物たちの命と向き合い、丁寧な飼育を心がけ、心から大切にし、愛情を注ぎ、各々のQOLを上げていくことでした。そうした職員の方の姿を垣間見れたり、それを同園の方針とするならば、命と向き合い、命を尊び大切にする、子どもから大人まで命の教育の場となりえると思います。

札幌市円山動物園の件で明らかになったように、札幌市には動物への優しさや思いやり、配慮に欠けているように思います。言葉を持たない動物にも優しい社会は、高齢者やハンデを持った人たち、子どもにも優しい社会となります。青少年の暴力や残忍な犯罪が明るみになると、必ずと言っていいほど、その陰で動物が殺され犠牲になっています。そのことからも、他者への優しさと思いやりのある社会にするには、自分とは異なる種類、存在である小さな命を大切にする文化が必要です。
人々の暮らしに欠くことの出来ない動物たち。北海道の未来を創造し、世界が憧れるまち」、「互いに手を携え、心豊かにつながる共生のまち」の実現には、動物との共生から見える未来を考えることも重要なのではないでしょうか。

近年、私たちの生活環境は大きく様変わりし、人々の価値観もモノの豊かさから心の豊かさへと変化してきました。少子高齢化、人口減少が問題となり核族化が進んでいる現代、人間関係も希薄になって来て、コミュニティにおける近隣同士の関係もなくなりつつあります。そのような現代社会では、犬猫などのペットに心の癒しや安らぎを求める人も多く、今やペットの数は15歳未満の子どもの数を大きく上回っており、愛玩動物に対するニーズや位置づけは益々高まってきています。

そこで、第2章の「計画体系」暮らしコミュニティに、人と動物の関わり合い、共生についての意見を提出いたします。


1-①市民の孤立を防ぐ支え合いの環境づくり
さらなる老齢人口の増加に伴い、孤立する高齢者も多くなりますが、今後、死亡や入院、施設入居により、高齢で動物の適正飼養が出来ない人が増加することが予想され、事実、札幌市動物管理センターには、高齢者によるペットの放棄も多くなっています。
しかし、動物との関わり合いは孤独になりがちな高齢者や生活弱者にとって、癒され、孤独を和らげ、素直な気持ちを表すことの出来る大切な存在です。
高齢者が、知識習得者による動物介在療法や動物介在教育など、適性のあるモデル犬猫を介した心のリハビリやコミュニケーションを図る場が必要と考えます。


1-③災害に備えた地域防災体制づくり
東日本大震災では、被災地域の住民のみならずペット等の動物も大きな被害を受け、 震災後も放置されたペットや家畜が繁殖したり、餓死するなど動物福祉や公衆衛生上の問題も多発しています。194万人を抱える政令指定都市である札幌市も、大災害時における市民とペットの避難場所となる広さのある施設や敷地は必要不可欠です。
災害時のペットの救護、周囲への迷惑防止等に配慮するためにも、仮設住宅等が必要になることを想定すると、十分に広さのある敷地は必要で、立地条件等を含む場所の選定及び設備を併せ持った施設や体制づくりが必須と考えます。


2-① 地域で共生する環境づくり
農業や畜産も盛んな北海道は、昔から人々の暮らしの中に動物が暮らしていました。地域で共生する環境づくりには、動物の存在も欠かすことは出来ません。しかし。都市化が進んだ札幌市においては、住宅が密集し、動物との関わり方も変化してきました。
猫は動物愛護管理法で愛護動物ですが、庭や畑が荒らされるとか糞尿をされたとか、人々に寛容さや弱者に対する思いやりがなくなってきています。
しかし、野良猫を駆除したために、ねずみによる被害が発生した地域もあり、地域で共生するには動物たちも必要不可欠な存在です。
野良猫問題が地域問題にもなっている昨今、野良猫に餌を与えるだけで繁殖措置を講じなければ、地域の問題は解決しませんし、更なる不幸な猫たちが増えてしまします。
現在、個人や保護団体が、野良猫を捕まえて不妊手術を行い、生息していた地域にリリースしたり、飼い主探しを行っていますが、個人や保護団体の善意の負担は、経済的にも体力的にも今後継続できるか不安です。
札幌市動物管理センターに寄せられる苦情の多くは野良猫に関するものです。こうしたことからも、札幌市は、野良猫の問題は地域の環境問題と捉え、市が中心となって、不妊手術や飼い主への適正飼養の啓発を行っていくべきです。
横浜市、相模原市、新潟市、静岡市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市等の多くの政令指定都市が、野良猫の不妊手術の助成金を補助し、広島市、北九州市、福岡市、熊本市でも獣医師会等と協力しながら不妊手術を推し進めています。政令指定都市の中では、札幌市と浜松市のみが助成金を補助する等の施策を行っていません。
ぜひ札幌市でも、野良猫の不妊手術代を補てんする補助金制度を導入してくださるようお願いいたします。


2-② 子ども・若者を社会全体で育成・支援する環境づくり
また、核家族、少子化の現代では、子どもたちが命の尊さや大切さを学ぶ機会も少なくなり、命に対する認識が薄い青少年の犯罪も多発しています。身近な動物である犬や猫の現状、とりわけ札幌市動物管理センターに収容された動物たちの現状を知ることは、子どもたちの道徳観や人格的な成長を促し、「命を大切する心」、「弱者に対する思いやり」、「命に対する倫理観」、「最後まで面倒を看る責任感や根気強さ」、「公共の利害にも深く関わる行動規範」等、教育の現場だけでは伝えきれない、人としてあるべき姿を体感できる道徳教育の機会と考えます。
子どもたちが、遠足や課外学習などでも利用できる、学習室も併せ持った教育の場が必要と思います。 

上記のように、【市民の孤立を防ぐ支え合いの環境づくり・災害に備えた地域防災体制づくり・地域で共生する環境づくり・子でも・若者を社会全体で育成・支援する環境づくり】に、動物との共生は欠くことは出来ません。
平成25年9月1日、改正された動物愛護管理法が施行され、環境省でも『人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト』が発足し、犬や猫などのペットにもできる限り生存の機会を与え、優しさと思いやりを育む国づくりを推進しています。
そして札幌市においても、2014年11月28日、札幌市動物愛護管理行政のあり方について上田前札幌市長への提言書の手交式を終え、2015年5月28日には、今後の札幌市の動物愛護管理行政における基本的な考え方や取組の方向性を示す『札幌市動物愛護管理基本構想』が公表され、現在「札幌市動物の愛護及び管理に関する条例(案)に対する意見」の募集も行われているところです。
条例を適切に運用していくにはハード面での施設も必要です。
当会では、札幌市動物愛護センター建設のための署名運動を平成27年2月1日より展開し、5万5千人余りの方々からご賛同いただきました。現在、札幌市議会厚生委員会で審議継続されているところです。
札幌市に、人と動物の共生社会推進の司令塔となり、それを強力に推進する施設があれば、札幌市民の心を豊かで思いやりに満ちたものにでき、お金には換算できない大きな力を札幌市民に与えてくれるはずです。そして、市民の参加・協力により無限の可能性が生まれる施設となれば、動物を介して人々が交流できる場所となります。また、ボランティア研修のシステムも持ち合わせる多目的施設となれば、社会貢献できる人材の育成にも繋がると考えます。
国際都市札幌をうたうのであれば、動物愛護や福祉も世界水準にすることは大切です。札幌市の倫理の成熟度を示すバロメーターになる施設が動物愛護センターになることは言うまでもありません。
横浜市の動物愛護センターはドイツの動物保護シェルターのティアハイムをモデルにしていますし、新潟市は、平成23年10月、官民運営の食育や花育をメインに行っている施設「いくとぴあ」が建てられ、平成25年5月には、こども創造センターという児童乳幼児の育成・娯楽施設と共に、横に新潟市動物愛護センターおよび動物ふれあいセンターが併設されました。お年寄りから乳幼児まで多く来場され、平成26年度は新潟市の人口の2倍近くの155万人の来場者があったそうです。動物愛護センターの方によりますと、やはり単独で愛護施設を設けるよりも他の施設があることで、自然と動物ふれあいセンターの方にもお子さんや家族の足が向き、命の教育や啓発活動、動物の譲渡のきっかけになっているとの話でしたので、食や植物、動物を通して様々な立場の人々が集う、場所のスケールメリットを活かした愛護センターの設け方も札幌市にとっては一考の余地があるかもしれません。札幌市には、動物や植物等の生物を通した市民が交流できる、気軽に立ち寄ることのできる参加型の施設が必要と考えます。
様々な命に優しい街は、観光や教育でも札幌市のイメージアップにもつながるのではないでしょうか。

横浜市動物愛護センター
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/hokenjo/genre/douai/about/overview.html
新潟いくとぴあ
http://www.ikutopia.com/



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