野良猫を見つけた時にどうするか
近所に野良猫がいて気になっている方は大勢いらっしゃると思います。自分で保護して飼育する、あるいは新しい飼い主を探す、数を増やさないように不妊手術する・・・行き場を失っている猫たちのために自分ににできることしてみませんか。
1.保護をする場合の注意事項
保護する前に確認を
保護する前に確認しなければならないのは、本当に野良猫かどうか、もしかしたら迷い猫か誰かの飼い猫かも知れません。
所有者を明示する迷子札や首輪、病院等でマイクロチップが読み取れたら飼い主が分かりますが、何も身につけていないからといって野良猫であるとは限りません。
よちよち歩きの子猫であれば近くに母猫がいる可能性がありますし、母猫がいなければ育児放棄されたか野良猫になった猫と考えられます。そのままにしておくと死んでしまうので保護してあげて欲しいです。
また子猫でも活発に動ける、成猫の場合はいつも同じ場所にいるなら、飼い猫かどうか近所の方に聞いて情報を集めると良いと思います。
また耳にV字のカットがされている猫は、TNR※された猫か地域猫の可能性が高いので、餌やりさんの存在があるはずです。TNRや地域猫は以下からご覧ください。
迷い猫かどうかは、地域の保健所や警察署に連絡をし、迷子の届け出がある猫かどうか確認しましょう。また、より情報を集めるには、迷い猫の情報サイトや、近所に張り紙が無いか調べるのも有効です。 以上、野良猫をご自身で飼育するか誰かに譲渡するか、保護を決めた場合には、まず当該の猫が誰かの飼い猫で無いか確認し、飼い主が分かったらぜひ連絡してあげてください。
保護する前に準備すること
野良猫を保護すると決めたら、あらかじめ動物病院を探しておきましょう。野良猫を診察しない病院もありますし、診療時間に連れて行けるかも事前に調べておきましょう。
・病院で感染症の検査を行い、先住猫のいる場合は接触に注意しましょう。
・いきなり広い部屋に話すとパニックになったりしますし、家具等の隙間に入るとどこにいるか分からなくなります。ケージを用意しかケージが無い場合は、一部屋のみで様子を見ると良いでしょう。
・フードと新鮮な水とトイレ、休めるようなハコ(段ボールも可)を用意してあげましょう。
捕獲の方法
よちよち歩きの子猫か人に馴れている猫でなければ、素手で捕まえることは出来ません。人に馴れている猫でも、いざ捕まえられそうになると引っかいたり噛みついたりすることもあります。
捕獲には捕獲器かキャリーケースを使いましょう。捕獲器は、愛護団体や市町村の担当部署で用意がある場合は貸してもらえますので相談してみてください。
※当会でも貸出を行っています。ご相談ください。
捕獲器の設置場所や設置時間、方法等、安全に注意して放置したままにならないようこまめに確認できる時に決行しましょう。捕獲する前に、餌付けをしておくことも大事です。
また、捕まったら事前に相談を入れておいた動物病院に連れて行くようにします。
捕獲は難易度が高い場合も多いので、猫の保護になれたボランティアさんの協力やアドバイスをいただくと良いでしょう。また、餌やりさんがいる場合も多いので、連絡を取り合えると良いと思います。餌やりさんがどこにいるか分からない時が多いので、捕獲器にご自身の連絡先のメモを貼るなどして捕獲器に入るよう餌やり中止の協力をお願いすると良いでしょう。
また、必ず目的の猫が入るとは限りません。飼い猫が入ることもあるでしょうし、他の野良猫が入ることもあります。事前にどうするか考えておくことが必要です。
一口に捕獲と言っても、初めての方には勇気がいります。事前の準備が何より大切ですし、捕獲する時は平常心で臨みましょう。
2.新しい飼い主を探したい
行政機関の飼い主探しノート
保護した方が飼育されない場合には、新しい飼い主を探す必要があります。方法としては、里親サイトへの掲載や動物病院等にポスターを貼っていただいたり、出来るだけ露出を多くします。
ご自身で新しい飼い主探しを出来ない方は、こちらのページをご覧ください。
- 行政の飼い主探しノート
終生飼育は飼い主の義務と責任ですが、止むにやまれぬ事情があってペットの飼育継続が困難となった飼い主と、新たに飼い主になりたい方との情報交換を北海道の各振興局や札幌市、小樽市が支援する仕組みです。振興局により保護した方もご利用いただけます。
石狩振興局 空知総合振興局 胆振総合振興局 日高振興局 後志総合振興局
渡島総合振興局 檜山振興局 オホーツク総合振興局 十勝総合振興局
釧路総合振興局 根室振興局 上川総合振興局 留萌振興局 宗谷総合振興局
民間の里親探しサイトやSNSで情報発信
民間の里親探しサイトに掲載をお願いしたり、ご自身のSNSで情報を発信します。
・ネコジルシ ・ペットのおうち
ポスターやチラシを作成し掲示して探す
動物病院やスーパー、コンビニ等の人目に付きやすいところに、当該猫の写真や特徴、連絡先を書いたポスターを掲示します。ポスターには掲載日時を記載すると良いでしょう。また、ポスターを撤去する日時も決めておき掲示を許可してくださった方に迷惑のかからないようにしましょう。
3.譲渡にあたって
家庭訪問を行いましょう
面会の声がかかったら相手の身元や猫を飼育できる環境であるか詳細を確認し、家庭訪問を行って譲渡も直接連れて行くようにします。単独で行動せずに同行者にもどうだったか意見や感想を聞いてみると良いと思います。
トライアル期間があると安心
トライアル期間を設けるとお互いに何かあった時に対応できます。譲渡前までの所有権は保護主さんですが、譲渡契約を結んだ場合は相手の所有権となります。
譲渡契約書を交わしましょう
貰ってもらうからタダで良いと考える方もいますが、逆に譲渡前にかかった不妊手術代や混合ワクチン接種や駆虫代等の飼い主としてかかる初期経費を払えない人には生涯に亘って猫を飼育できることは出来ません。終生飼育覚悟があるかの判断にもなります。
譲渡契約書を交わし、コピーか2枚記載してもらいお互いの署名と押印をします。
4.里親詐欺にはくれぐれも注意を!!
虐待を目的とした里親詐欺などの輩もいるので、相手をしっかり見極め適正に飼育できる根拠となる確認を行い慎重に譲渡しましょう。
免許証やパスポート等の顔写真がついたものを見せてもらい、写真を撮るかコピーを貰います。その他、確認したいことがあれば随時証明になるもので確認しましょう。
5.愛護団体で里親探しを希望する場合
当会には毎日、野良猫や飼育出来なくなったとペットの保護依頼の相談が入ります。保護したからと言っても飼い主とみなされます。動物保護の原則は「拾った人自身が責任をもつこと」です。一時的に拾った後、その動物を飼養できず再び元の場所に戻せば、その人も罪に問われることになります。
※「動物愛護管理法」により、動物の遺棄は100万円以下の罰金が科せられます。
保護するということは、食費・治療費、世話をする人、環境や設備など、“飼う”に等しい大きな責任を伴うことであり、安易に人に依頼するものではありません。可哀相という気持ちだけでは、命を救うことはできません。
「自分の目の前にいる犬・猫を助けてほしい」という気持ちはわかりますが、愛護団体は常に命を繋ぐために必死で活動していますが、全ての犬猫を救うことは到底不可能です。
助けてくださる方が多ければ多いほど、多くの命は救われます。そのためにもまずはご自身で保護できるかどうかをよく考え、努力していただくようお願いいたします。
当会では、新しい飼い主探しのアドバイスなど可能な限りのご協力はさせていただいております。上記内容をご理解の上ご相談ください。ご相談は以下のEメールから具体的に記載されてお送りください。
Eメール:info@shippo.or.jp
有償ですが引き取り預かりの業務も行っております。引取り預かりの事業は、行政機関から行き場を失った犬猫が優先となっていますので、収容場所に空きがある場合にのみ対応させていただきます。
6.野良猫の不妊手術のすすめ
可哀相だからと餌だけ与えていても、さらなる不幸な命を生み出すことに加担することになります。餌を与えるだけで不妊手術を行わなければ、猫の数が増えて近所迷惑になり更に理解が得られにくくなります。
世話をしているうちに猫も人馴れしてきます。タイミングを見計らって捕獲し、避妊・去勢を施し、これ以上不幸な命が増えないようにTNR※を行って一代で猫生を全うさせます。
TNRとは
※Trap-Neuter-Return Programは頭文字を取ってTNRと略され、世界の野良猫サイトで共通して出てくる言葉で野良猫問題の推奨される解決方法です。
・Trap:トラップ(捕獲器)で野良猫を捕獲すること
・Neuter :ニューター(不妊手術のこと)
・Return:リターン(元の居住場所に戻してやること)Releaseが使われることもあります
つまり、trap 捕獲器で猫を捕まえて、neuter 避妊・去勢手術を施し、Return(Release)元いた居住場所に戻すことを言います。一代限りの生を全うし、その地域から飼い主のいない、行き場のない猫を減少させる解決方法です。
当会で捕獲器の貸出も行っています。ご相談ください。
不妊手術の助成金事業
◇全国には不妊手術代を助成する自治体もありますので、お住いの市町村役場に聞いてみましょう。
◇また、札幌市では「さっぽろほごねこプロジェクト」というふるさと納税を使った助成金の仕組みがあります。詳しいことは事務局までお尋ねください。
◇HOKKAIDOしっぽの会の飼い主のいない猫基金は野良猫に不妊手術をしてくださる方に、不妊手術代の一部を助成しています。
詳しくは以下の「飼い主のいない猫基金」からご覧ください。
飼い主のいない猫基金で不妊手術を行った保護猫の譲渡会も定期的に開催しています。
また募集サイトにも掲載していますので、ご相談ください。
地域猫については以下からご覧いただけます。
https://shippo.or.jp/tiikineko.html
◇全国的な助成金制度の法人
野良猫の不妊手術代の助成と社会問題化している場合には行政の支援も行っています。
7.猫は野生動物ではありません。動物愛護管理法で守られている愛玩動物です。
虐待や