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名義 しっぽの会
飼い主のいない猫
【HOKKAIDOしっぽの会からの提案】
「飼い主のいない猫基金」の取り組みは、飼い主のいない猫の避妊・去勢手術費用の一部を援助させていただくことで、1頭でも行き場のない不幸な外猫を減らし、また近隣被害を未然に防止し、地域住民の方と飼い主のいない猫との良好な生活環境を保持することを目的とします。(出来ることなら家庭猫にしてあげたい思いは強くあります)
また、動物の愛護及び管理の意識を啓発することで、小さな命を大切にする弱者に優しい住みやすい地域を目指しています。その観点から、資金援助は地域で野良猫を増やしている方に行うものではありません。
環境問題も含めた、小さな命を尊び、住民とのコミニュケーションを大切にされる地域住民の方を対象にしています。
誤解がないようにお伝えしたいのは、HOKKAIDOしっぽの会は人と動物がより良く共生できる持続可能な社会を目指しています。そのためには、地域住民の方たちが、野良猫の問題で対立するのではなく、地域の問題として解決していくため、餌やり・トイレの掃除・繁殖を防ぐための啓発、ノウハウやルールを定める自治体によるガイドラインが必要です。
札幌市「飼い主のいない猫への対応ガイドライン」
http://www.city.sapporo.jp/inuneko/main/documents/sapporo_cat_guideline.pdf
野良猫の保護を巡って、地域の住民同士が対立することがありませんようにご注意ください。
HOKKAIDOしっぽの会では、会の趣旨に賛同してくださり、飼い主のいない猫に避妊・去勢を施していただける地域の方に手術費用の一部を助成させていただきます。
助成金の財源は、皆さまからいただいた「飼い主のいない猫基金」の貴重なご寄付によるものです。(行政からの援助は一切ありません)
・新しい飼い主さん探しブログ 掲載フォーム(PDF) word形式
※ご寄付の際に、「飼い主のいない猫基金」とご記載ください。収支はHPや会報の会計報告でお知らせさせていただいています。
※飼い猫の手術は、飼い主が責任を持って行ってください。
不幸な命を増やさないために 私たちができること
HOKKAIDOしっぽの会は、任意団体である活動当初より、譲渡する犬猫には、麻酔等の健康上の問題が無い限り、避妊・去勢手術(以下、不妊手術と表記)を行って譲渡してまいりました。
また、2010年には、協力病院のお蔭で、生後8週~16週の子犬や子猫に対しても早期の不妊手術を施すことが出来るようになりました。不幸な犬猫を減少させるための唯一の方法は不妊手術です。
そして早期不妊手術は、せっかく助けられた不幸な動物が、うっかりしている間に妊娠してしまわないよう、さらに不幸な動物が増えてしまわないようにする決定的な手段となる手術です。最近は一部の行政機関では犬猫に不妊手術を施してから譲渡を行っている自治体もあり、北海道では旭川市動物愛護センターあにまあるが早期不妊手術を行っていますし、札幌市動物管理センターでは、猫の不妊手術や一部の犬に不妊手術を行い譲渡しています。
不妊手術の是非については、しっかりとしたポリシーのある個人の判断を否定するものでは決してありませんが、公益を担う行政や愛護団体が、不妊手術を行うことは常識的な選択ではないでしょうか。
2016年、札幌市と共催で行っている公開講座に、札幌市がご出身のアメリカで獣医師をされ、保護アドバイザーでもある西山ゆう子先生を講師にお招きした際、西山先生は動物虐待、ペット数の過剰や殺処分問題の取り組み、動物福祉について、アメリカと日本の違いや問題の解決方法や対策、未来の方向性を語ってくださいました。
ロサンゼルスでは、基本的に自治体が保護したら、不妊手術、マイクロチップ装着を税金で行い、その後、愛護団体へ移動するそうです。また自治体は、低料金で診察できるクリニックを開設し、低所得者の飼い主の動物を中心とした外来診療を行っていて、不妊手術後のマイクロチップ装着動物が、愛護団体へ行くようになっているので、日本でもある程度、税金を使って、避妊手術ぐらいができるようになるのがベストではないかと語っておられました。
また、これから日本中に欧米型の保護シェルタ―施設が出来てくると思うが、ガス処分機がないのは勿論、施設に獣医師がいて、保護動物が生活の質を保って暮らせるようになることが目標。
市民もきちんと把握して監視していかなくてはいけない問題だし、個人的には、行政が飼い主のいない猫に税金を使うよりは、譲渡する前の猫に去勢していくほうが手っ取り早い。そういったことも含めて、行政はどの部分にどのように税金を使っていくのかを考えて欲しいと仰っておられました。
西山先生は、ご自身の住む自治体のペットの殺処分数や動物愛護団体の保護数、地域猫の普及数、自治体の条令や指針を把握され、多くの地方自治体では、犬と猫の繁殖制限を指導し、不妊手術を奨励している。地方自治体が、そうした責任を持つ飼い方の指導をされているかを重要視されています。そして、身勝手な人間の都合で殺処分される犬猫や迷子、放棄、野犬、野良猫、どれをとっても人間に翻弄された事情があり、目の前の命を救って殺処分を減らしていくことは重要であるが、最も必要なのは不幸な犬猫を生み出さない社会、そのための世論や実際に生み出さないシステムは必要、保健所等の自治体や愛護団体等、犬猫の譲渡を行っているところでは、不妊手術を施すことは最たる条件と仰っておられ、当会も同意見です。
平成30年度の総務省の調査では、日本では15歳以下の子どもは1553万人でしたが、それに対し、ペットフード協会調べの全国犬猫飼育実態調査によるペットの数は1855万頭でした。少子高齢化・核家族化の現代社会を象徴している現象ですが、殺処分数は減少しているとはいえ、多くの犬猫の動物福祉が損なわれていて、多頭飼育放棄やネグレクト、やむを得ない事情があるとはいえ、高齢者による飼育放棄も大きな社会問題となっています。適正飼育出来る人が動物を飼育出来る権利があると思うのですが、実際は水面下でも多くの犬猫が犠牲になり苦しんでいます。野外での自由な犬猫の繁殖や飼い主による繁殖制限がされていないため、飼いきれない余剰犬猫が溢れています。
飼い猫には
1.飼い猫を外に出さない
猫を自由に外に出さないでください。
外での放し飼いは交通事故や猫同士の喧嘩、感染症になったりと大変危険です。
また、飼い猫が迷子で保健所に収容され、飼い主の迎えがなく殺処分されることもあります。
万が一の事態に備え、飼い主が分かるように、
電話番号を明記した名札付きの首輪をつけてください。
また、マイクロチップは米粒ほどの大きさですが、電子の迷子札とも呼ばれています。
保健所や動物病院に設置されているリーダーで読み込みますが、
迷子になった時に身元を識別するのに有効です。
2.必ず避妊・去勢手術を行う
家の中だけで飼うから避妊・去勢はしなくても大丈夫と思っていても、
うっかり外に出て妊娠してしまったり、妊娠させたりすることがあります。
特に発情期は危険です。
また、避妊・去勢することで、生殖器の病気に罹りにくくなったり、
尿の臭いが薄くなったり、発情の度に興奮したさかりの声がなくなります。
野良猫には
1.安易な餌やりは新たな不幸な命を生み出すことに
目の前にいる小さな命が必死で生きようとしているのを無視するのは大変に辛いことですが、可哀相だからと餌だけ与えていても、さらなる不幸な命を生み出すことに加担することになります。
餌を与えるだけでは、地域の理解も得られません。餌やり、トイレ管理のルールを作り、地域の環境に配慮することが大切です。地域住民の理解があって、初めて野良猫は生存権が得られます。ただ、猫が悪いのではなく、全ては人間の行動が現状の起因です。
2.捕獲して避妊・去勢手術を行い一代限りの命に
世話をしているうちに猫も人馴れしてきます。タイミングを見計らって捕獲し、避妊・去勢を施し、これ以上不幸な命が増えないように一代で猫生を全うさせたいものです。もちろん、温かい家庭が欲しいのはどの子も同じだと思います。
3.地域の環境に配慮して、地域住民で問題解決
地域には動物嫌いな人も多くいます。特に猫は野良猫も多いうえ、放し飼いする飼い主もいて、「畑や庭が荒らされた」、「物置で子猫を産まれた」など、行政に苦情が多く寄せられています。こうした飼い方が、さらなる猫嫌いを生み、問題解決に悪循環を及ぼしています。
地域で猫の問題に頭を痛めている方にこそ、好き、嫌いなどの感情に流されずに、住みやすい町作りのために、地域猫問題の活動に参加していただきたいと思います。飼い猫の寿命は15年ほどですが、野良猫は厳しい世界を生き抜くため、1~2年ほどしか生きれない過酷な一生です。
4.命を大切にする町づくり
あなたの住んでいる町で、児童虐待や動物虐待が起きていたら、どうでしょうか。大概の方は、地域が住みやすい場所とは思わないはずです。小さくても命を粗末にしない考え方は地域社会の犯罪を抑制し、環境を良くしていくことに繋がっていくと思います。野良猫も命を持っています。温かく地域の住猫として居住を許してあげたいものです。
野良猫を地域の猫として住民が責任を持って管理する、地域猫の取り組みが全国の主に都市部で行われています。