札幌市共催しっぽの会公開講座 ~アメリカから学ぶ~ 日本の動物福祉の未来[2016年10月29日(土)]





10/29(土)、札幌市共催第4回公開講座~アメリカから学ぶ~日本の動物福祉の未来が
終了いたしました。

飼い主さま、動物行政のご担当者さま、行政の職員の方、
獣医師さまや保護活動されている方、動物専門学校の職員の方、
ドッグトレーナーの方、報道関係の方等、
様々なお立場の98名が聴講してくださり、
動物愛護と福祉のアメリカから学ぶ、大変実り多い講演となりました。







冒頭、札幌市動物管理センター黒川明美所長がご挨拶してくださり
その後札幌市から10月1日施行された「札幌市動物の愛護及び管理に関する条例」の
お知らせがありました。

適切に飼育することは、ペットのみならず飼い主さま自身も
安心した幸せな毎日を送ることが出来ますので、
札幌市のHPからも条例の案内をご覧ください。

札幌市動物の愛護及び管理に関する条例の制定について
http://www.city.sapporo.jp/inuneko/main/aigojorei.html







講師は獣医師で保護動物アドバイザーの西山ゆう子先生で、
西山先生は札幌市がご出身で、1986年北海道大学獣医学部卒業、
その後アメリカに渡り米国の獣医師免許を取得され、
VCAウイルシャーアニマルホスピタル勤務、アイオワ州立獣医大の客員教授を経て、
ロサンゼルス郊外にビレッジ・ベテリナリーホスピタルを設立されました。
2014年、拠点を東京に移し、シェルターやセンターのコンサルト、
保護動物アドバイザーとして保護動物を専門に診療され、
また動物虐待、ペットの人口過剰やセンターでの殺処分問題に取り組み、
日米で数多くの講演を行っていらっしゃいます。

西山先生は、25年ロサンゼルスに住んでいらっしゃいましたが、
この日は、最高気温も7℃で木枯らしも吹く底冷えするお天気で、
温暖な気候のロスアンゼルスとは裏腹ですが、
郷里である札幌の気温を思い出され懐かしく感じておられました(^^)







最初にアメリカの動物虐待について講話してくださいました。







アメリカでは言葉の意味を定義付け、
細分化、明文化されているそうですから、
曖昧な扱いはなく動物たちは命や権利が守られていると感じました。







アメリカのアニマルポリスの存在は有名ですね。

アニマルポリスは地方公務員が責務を担っていて、
逮捕権はありませんがパトロールして違反があれば罰金チケットを切りことが出来ます。

3回ルールと言うのがあるそうですが、

1回目 やめなさい
2回目 本当にやめなさい
3回目 動物を連れて行く  会社のライセンスを奪う

逮捕の場合は警察官と同行し行使されるそうです。
そう言った仕組みが日本にも欲しいです。
本当に羨ましいですね。

1部はアメリカの動物虐待の取締りから学ぶ講座で、
2部は保護動物、ボランティア、保護主、譲渡、殺処分などの言葉の意味と内容を明確にし
多頭飼育や地域猫、引き取り屋等の問題から
動物の愛護と福祉の正しいあり方について学びました。

本当のゴールとは以下であり
・譲渡数を増やす→終生飼養する飼い主に
・譲渡される前の保護動物のクオリティを上げる
・譲渡できない動物の最期をサポート
・飼えなくなった市民、多頭飼育崩壊をサポート

ちなみにロサンゼルスでは、
・違反行為者から罰金徴収→未登録、狂犬病ワクチン接種、条例違反
・自治体は基本市民からの動物の受け入れを断らない
・譲渡対象となると自治体が不妊去勢手術、マイクロチップを施行
・自治体が低料金クリニックを運営、低所得者などが中心の外来診療をしている
・不妊去勢手術、マイクロチップ装着動物が愛護団体

アメリカでは、日本のように保健所=殺処分されると言った概念がないそうで、
動物の福祉を顧みず飼育している飼い主には指導や罰金、
動物や業者はライセンスも取り上げられ、
動物の愛護と福祉の土壌があるので大変羨ましく思いました。

しかし日本でも自治体の地方公務員が、
アニマルポリスの役割を担うことが出来るはずと思いますし、
例えばゴミ捨てパトロールや子どもの見守りパトロールと一緒にでも
出来ることがあるはずと思いました。

ただそれには動物愛護と福祉の意識改革が必要で、
そういった教育がなければならないと思います。

アメリカにできて日本だから出来ないではなく、
日本でも出来るよう命を大切にする社会の醸成が必要と思いました。









西山先生のアメリカ日本での活動の記録や著書を展示させていただき
先生は、11月9日(水)発売の新著書「いい獣医さんに遭いたい!」も寄贈くださいました!

ご講演後の先生とジャンケンをして、
勝った方2名に署名入りの著書をプレゼントさせていただきました♪







内容紹介
いい獣医師に診てもらいたい。
犬猫も長生きする時代だからこそ、ご近所のかかりつけ医をもちたい。
飼い主ならだれでもそう思う。
「いい獣医さんってそもそもどんな獣医?」という投げかけから生まれた本書。
第一章は、納得のいく治療を受けるための診察室での会話術をQ&Aで伝える。
第二章では、30年間米と日本で獣医師として働いてきた著者が、
動物病院をめぐる時代状況と獣医療の変化を語る。

これからの獣医療が直面するペットの高齢化問題にも触れ、
飼い主と獣医師との絆が今後ますます大切になると説く。


いい獣医さんに出会いたい!
発行:ポット出版プラス
西山ゆう子 著
価格:1,296円 (税込)
http://www.pot.co.jp/books/isbn978-4-86642-001-1.html







主な著書
「小さな命を救いたい―アメリカに渡った動物のお医者さん」(エフエ―出版)は、
犬猫の不妊去勢手術によって捨てられ殺される命が救えることを力説されている、
西山ゆう子先生の最初の有名な著書です。

挫折や困難の連続で紆余曲折がありながらも自分の足と力で乗り越えて来られた
西山先生の正直でてらいのない言葉がそこにはありました。
個人的にも勇気を貰える1冊になりました。
獣医学生の皆さまはバイブルとなる書籍ではないでしょうか。

そして西山先生は、不要と捨てられたり不妊手術を怠ったばかりに原因となる病気や
発情の際に起きやすい交通事故等、小さな命を守るためには、
不妊手術が重要とずっと言い続けていらっしゃり、「不妊去勢の母」とも呼ばれています。






札幌市さまからも飼育に関する案内や
野良猫への無責任な関わり方を注意する案内が掲示されました。









後援いただいた北海道さまからも、動物愛護と福祉に関するパネルや
当会からも保護動物を通じて様々な情報を掲示させていただきました。







飼い主のいない猫基金も不幸な命を増やさない、
一代限りの生を健やかに全うさせてあげれるよう温かな気持ちが大切と思います。






11月11日付北海道新聞朝刊生活面「ペットとくらす」に
10/29(土)、当会が札幌市と共催で開催しました
第4回公開講座~アメリカから学ぶ~日本の動物福祉の未来の記事が掲載されました。

ペットは家族の一員ですし我が子同然ですが、
現実は放棄や遺棄、虐待、ペット業界の闇や引き取り屋等、
日本の犬猫の現状は動物愛護や福祉が浸透しているとは言い難く、
この講座を通じて日本がアメリカから学ぶことで、
日本の実情に合わせ動物たちが守られていく社会になれば嬉しいです。







西山ゆう子先生、本当にありがとうございました!

共催の札幌市さま、後援くださった北海道さま、関係団体さま、
お世話になっている各々の皆さま、ボランティアの皆さま、本当にありがとうございました!

ご来場の皆さま、お寒い中お越しくださりありがとうございました!
またの機会にもぜひいらしてください!






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